フィナステリドは、特に生え際の後退に対して、効果的に脱毛を予防・改善できるのか？
一般的には「はい」と言えます。フィナステリドはまさにこのような症状に対して処方され、良好な結果が示されています。
全ての人に効果があるわけではありませんが、多くの男性に効果が認められています。2年間の研究では、フィナステリドを1年間服用した男性の48%に毛髪の改善が見られ、2年後には66%に増加しました。これはプラセボ群の7%と比較して高い数値です。この改善とは、新しい毛髪の成長または以前に薄くなっていた毛髪の再生を指します。
現在の毛髪量を維持したい人にとって、フィナステリドはさらに優れた効果を発揮します。研究によると、フィナステリド使用者の83%が脱毛を経験しなくなりましたが、プラセボ群では28%のみでした。
まとめると、フィナステリドは生え際の後退を含む脱毛に対し効果があることが示されています。個人差はありますが、多くの男性がフィナステリド使用で良好な結果を得ています。
フィナステリドの作用機序は？
フィナステリドは、体内でテストステロンがジヒドロテストステロン（DHT）に変換されるのを抑制します。DHTは体のほとんどの部位で毛髪成長を促進しますが、男性型脱毛症の男性の頭皮には悪影響を及ぼします。DHTは頭皮の毛包を損傷し、毛髪生産を減少させます。フィナステリドはこの変換を阻害することで脱毛を防ぎます。研究によると、1日1mgのフィナステリドは頭皮のDHTレベルを60%以上減少させます。
頭皮DHTレベルは、プラセボで13.0%、フィナステリド0.01mgで14.9%、0.05mgで61.6%、0.2mgで56.5%、1mgで64.1%、5mgで69.4%の有意な減少を示しました。血清DHTレベルも、0.05mg、0.2mg、1mg、5mgのフィナステリド投与群でそれぞれ49.5%、68.6%、71.4%、72.2%の有意な減少が見られました（P < 0.001）。
フィナステリドの効果が現れるまでの期間は？
フィナステリドによる発毛促進や脱毛予防の効果を得るには、忍耐と継続が必要です。3ヶ月使用後からある程度の効果が感じられる場合もありますが、顕著な改善には1年かかることもあります。フィナステリドの最大効果が現れるまでには2年を要する場合もあります。これは毛髪の再生プロセスが遅いためです。
同様に、脱毛プロセスにも時間がかかります。フィナステリドの服用を中止すると、再生した毛髪が再び抜け落ちるまでに1年ほどかかる可能性があります。
フィナステリドの服用を中止するとどうなるか？
フィナステリドの使用を中止すると、もともと脱毛を引き起こしていた体内の自然なプロセスが再開します。DHTの生産が増加しますが、これはフィナステリドがその変換を抑制しなくなるためです。ただし、頭皮のDHTレベルが蓄積するには時間がかかります。毛髪がすぐに抜け落ちるわけではなく、DHTレベルの上昇により毛包が徐々に劣化し、毛髪生産が停止します。
フィナステリドはミノキシジルより効果的か？
ある研究では、フィナステリドの方がミノキシジルより効果的であることがわかりました。この研究では、フィナステリドを使用した男性の80%が毛髪密度の増加を経験したのに対し、5%の局所ミノキシジルを使用したグループでは52%のみでした。
治療終了時の臨床評価では、経口フィナステリド群の改善率（毛髪密度増加）は80%（32/40）、5%局所ミノキシジル群では52%（13/25）でした。
稀ではあるが深刻な副作用
フィナステリドを服用している人は、性機能関連の副作用（性欲の著しい減退など）を経験する可能性があります。幸いなことに、影響を受けた人の大多数はフィナステリドの使用を中止すると性欲が回復します。しかし、ごく一部の人は、フィナステリドの使用を中止してから数ヶ月から数年間にわたり性欲減退が持続する可能性があります。
プロペシアとは？
プロペシアはフィナステリドのブランド版で、発毛促進と脱毛予防を目的としています。両薬剤の作用機序は同じです。ただし、プロペシアはブランド薬のため、一般的にジェネリックのフィナステリドより高価です。
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