イバブラジン

製品概要

イバブラッドは有効成分イバブラジンを含む医薬品です。洞房結節のIf電流を選択的に阻害し、心拍数を低下させる作用があります。本剤は慢性安定狭心症や心不全の治療に一般的に使用されます。イバブラッドは心拍数を遅くすることで心臓の負荷を軽減し、全身への血液供給効率を改善します。

効能・効果

イバブラッドは主に、心筋への血流減少によって引き起こされる胸痛や不快感を特徴とする慢性安定狭心症の治療に用いられます。また、安静時心拍数が70拍/分以上の洞調律を有する駆出率低下型心不全患者の治療にも適応があります。安定狭心症患者の運動耐容能改善や狭心症発作頻度の減少、心不全増悪による入院リスク低減に役立ちます。

用法・用量

イバブラッド錠は食事とともに経口投与し、血中濃度を一定に保つため毎日同じ時間帯に服用することが推奨されます。投与量は患者の心拍数と耐容性に基づいて個別に調整する必要があります。医療提供者の指示通りに服用し、推奨用量を超えないようにしてください。急な服用中止は反跳性頻脈や症状悪化を招く可能性があるため、医師の指導なしに中断してはいけません。

作用機序

イバブラッドは心臓の洞房結節において心電位を発生させるIf電流を選択的に阻害します。この電流を遮断することで、心収縮力に影響を与えることなく心拍数を低下させます。心拍数の減少により心筋酸素需要が減り、心筋灌流が改善されるため、狭心症や心不全患者の症状緩和が得られます。

投与量と使用方法

慢性安定狭心症に対するイバブラッドの推奨初期用量は1日2回5mgで、心拍数と耐容性に応じて1日2回7.5mgまで増量可能です。心不全治療では初期用量1日2回2.5mgから開始し、数週間かけて最大1日2回7.5mgまで漸増します。徐脈、低血圧、肝機能障害患者には慎重に投与し、必要に応じて用量調整が必要です。

効果・メリット

イバブラッドの利点は、心拍数を効果的に低下させ、運動耐容能を改善し、狭心症や心不全の症状を軽減できる点です。心拍数を下げることで、慢性安定狭心症や心不全患者の心血管イベントリスクや入院リスクを低減します。一般的に耐容性が良く、心血管疾患管理のための単剤療法または他剤との併用が可能です。

主な副作用

イバブラッド使用に伴う一般的な副作用には、徐脈、光視症（視覚的な明るさ）、閃光視（光の知覚）などがあります。その他、めまい、疲労感、頭痛なども報告されています。これらの副作用は通常軽度から中等度で、継続使用により軽減する傾向があります。ただし、心房細動、伝導障害、症候性低血圧などの重篤な副作用が現れる場合もあります。

警告・注意事項

イバブラッドは既存の徐脈、洞不全症候群、伝導障害のある患者には慎重に投与する必要があります。急性増悪型心不全、重度肝障害、安静時心拍数60拍/分未満の患者には禁忌です。服用中は心拍数急変を要する活動や長時間の激しい運動を避けるよう指導してください。治療中は定期的な心拍数と血圧のモニタリングが推奨されます。

保管方法

イバブラッド錠は室温（20℃～25℃/68℉～77℉）で湿気や熱から遠ざけて保管してください。子供やペットの手の届かない場所に保管することが重要です。浴室やキッチンシンク近くでの保管は湿気の影響で安定性が損なわれる可能性があるため避けてください。使用期限切れや不要になった場合は、地域の規制に従って適切に廃棄してください。

免責事項

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