ピロックスゲル

製品概要

ピロックスゲルは、有効成分ピロキシカムを含む外用ゲル剤です。ピロキシカムは非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）に分類され、抗炎症・鎮痛・解熱作用を有します。本製品は、関節炎、捻挫、打撲、腱炎などの筋骨格系疾患に伴う疼痛や炎症の緩和を目的としており、患部に直接塗布することで薬剤を効果的に作用させます。

効能・効果

変形性関節症、関節リウマチ、軟部組織損傷など、急性・慢性の筋骨格系疾患における疼痛と炎症の緩和に用いられます。体内で炎症・疼痛・発熱を引き起こすプロスタグランジンの生成を抑制することで、関節や筋肉の機能改善を図り、日常動作を楽に行えるように支援します。

用法・用量

使用前に患部を清潔に拭き取り、適量（豆粒大）を薄く延ばして塗布します。塗布後は皮膚にすり込むようにして吸収させてください。1日2～4回を目安に使用しますが、医師の指示に従ってください。目の周囲・粘膜・傷口への使用は避け、塗布後は必ず手を洗浄してください。

作用機序

有効成分ピロキシカムは、シクロオキシゲナーゼ（COX-1/COX-2）酵素の働きを阻害します。これによりアラキドン酸からプロスタグランジンへの変換が抑制され、炎症反応・疼痛伝達・発熱が軽減されます。この局所作用により、筋骨格系障害に伴う症状改善が期待できます。

使用方法の詳細

症状の程度と患部の大きさに応じて使用量を調節してください。1回の使用量を超えないよう注意し、長期連用する場合は医師の管理下で使用します。ゲルを過剰に塗布したり、適用範囲を広げたりすることは避けてください。効果が持続しない場合は医療機関に相談が必要です。

治療上の利点

・局所適用により全身性の副作用リスクが低減
・速やかな皮膚吸収による即効性
・関節可動域の改善とADL（日常生活動作）向上
・経口NSAIDsが使用できない患者への選択肢
・使いやすいゲル剤型による治療アドヒアランス向上

主な副作用

頻度の高い副作用として、塗布部位の皮膚刺激感・紅斑・瘙痒感・発疹などが報告されています。通常は一過性で、使用継続または中止により軽快します。重篤な副作用（アナフィラキシー、皮膚潰瘍、消化管障害、腎機能異常など）が現れた場合は直ちに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

使用上の注意

・既往歴（特にアスピリン喘息・出血傾向・肝腎機能障害）がある場合は事前に医師に相談
・他のNSAIDs製剤や抗凝固薬との併用に注意
・日光過敏症を誘発する可能性があるため、塗布部位の紫外線対策を実施
・妊娠後期・授乳期の使用は禁忌
・小児への安全性は確立されていません

保管方法

室温（1～30℃）で直射日光を避け、チューブのキャップは確実に閉めて保管してください。凍結させないよう注意し、使用期限を確認の上、期限経過後の製品は使用しないでください。誤飲防止のため、小児の手の届かない場所に保管することが必要です。

免責事項

当社は正確かつ信頼性の高い情報提供を心掛けておりますが、本内容はあくまで参考情報であり、医師の診断に代わるものではありません。薬剤使用に際しては、必ず添付文書を確認の上、専門医療スタッフに相談してください。記載内容は全ての副作用・相互作用・禁忌を網羅するものではなく、治療方針は個々の患者背景に基づき決定されるべきものです。本情報は医師と患者様の信頼関係を補助する目的で提供されています。